TO VICTIM
労災被害者の方へ
業務中や通勤中に怪我や病気になったときは、労働災害に該当します。基本的に、治療は、労災保険を利用して行わなければなりません。
※健康保険は、労災の場合は利用できません。
※交通事故の場合は、加害者側の保険会社などが、自由診療で対応することもあります。
労災保険からは、休業補償や後遺障害が残った場合の給付などもあります。
労災保険が利用できる怪我や病気であれば、労災保険を利用することをお勧めします。
業務中や通勤中の交通事故は、基本的に労災です。保険会社が対応するから労災にならない、労災を使えない、というのは誤りです。
加害者がいる場合は、自賠責保険や加害者に適用のある任意保険会社等から、賠償金をもらうことができます。
しかし、労災保険を利用することによるメリットもあります。
労災保険を利用することによるメリットは、Q3.をご覧ください。
あります。
労災保険から支払を受けられる金額と自賠責保険(または任意保険)から支払を受けられる金額は調整されます。
しかし、両方の保険をうまく組み合わせて利用することにより、どちらか一方のみを利用する場合にくらべて、多くの補償がもらえることがあります。
具体例を挙げると、労災保険から休業(補償)給付に加えて休業特別支給金が支給されますが、この特別支給金は、加害者に対する損害賠償請求額から控除しない扱いとなっています。そのため、労災保険と自賠責保険(または任意保険)を組み合わせて利用することによって、最終的には、より多くのお金をもらうことが可能になります。
また、被害者の過失が大きい場合にも、労災保険を利用するメリットがあります。
いなば法律事務所では、交通事故の被害者側事件も多く扱っておりますので、被害者の方の状況に応じたサポートを行うことが可能です。
(1)労災事故に遭った後の治療中、(2)後遺障害等級認定申請をするころ、(3)示談交渉時、などに弁護士に相談される方が多いです。
この点、「今後の流れを把握して、大まかな方針を立てる」「気を付けるポイントを把握して、不利にならないようにする」ためにも、「労災事故に遭った後の早いタイミングで、一度、弁護士にご相談」されることをお勧めします。
弁護士に相談されたからといって、依頼をしなければならないということはありませんし、法律相談から数か月以上後になってから、ご依頼される方も多くおられます。
原則として、労働者を1人でも使用する事業は、その会社や労働者の意思にかかわらず、労災保険の適用事業となります(一部の事業を除きます。)。また、労災保険の被保険者となる労働者は、正社員だけではなく、いわゆるアルバイト・パート・日雇労働者や、就労資格を有しない外国人も含まれると解されています。
そのほかにも、例えば、建設事業など、数次の請負契約が重なっている請負事業の場合には、原則として、その事業を一括して元請負人を事業主とみなし、下請負人の労働者はすべて元請負人が使用する労働者とみなしています。
また、法人の取締役や業務委託契約を締結している者でも、その実態に照らして、使用従属関係があり、賃金が支払われている場合と解されるような場合には、労働者と判断される場合もあります。
労働契約がないからと言って、あきらめてしまわず、弁護士に相談されるのがよいと思います。
あきらめる必要はありません。
労災隠しは犯罪行為であり、会社には労災の発生を申告する義務があります。
まずは会社にそのことを伝え、対応するよう求めていくべきでしょう。
また、労災申請は「労働者の権利」ですので、直接、労働基準監督署に申請することもできます。
「後遺障害が残ってしまうこと」と「後遺障害等級が認定されること」は、必ずしも同じではありません。
例えば、後遺障害等級第12級の7「1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の、怪我をしたほうの可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいう、などと決められています。
また、複数の動きがある関節の場合は、関節のこの動きで計算するなどという更に細かい決まりもあります。
認定されるかどうかの断定的な判断は、一般的には難しいですが、法律相談において、認定される可能性のある等級や認定の可能性について、等級認定のルールや実例を踏まえてご説明させて頂きます。
これ以上の補償を受けることができる場合が多くあります。
労災保険から補償を受けたとしても、それはあくまでも損害の一部分の補償であり、例えば「慰謝料」などは労災保険から受け取ることができません。
労災が発生した原因が会社にもある場合には、会社に対して慰謝料等を含めた、損害全額の賠償を求めていくことが考えられます。
例えば、会社には、従業員が安全な環境で働くことができるように配慮する義務(安全配慮義務)があると考えられており、安全配慮義務に違反して労災が発生したと認められる場合には、会社に対する損害賠償が認められます。
また、業務中に、他の従業員のミス(過失)などで怪我をさせられた場合には、加害者である従業員に対する損害賠償はもちろん、その従業員を雇用して利益を得ている会社(使用者)に対する損害賠償も認められ得ます。